明るい場所で作業をさせたい!工場の照度に関する決まりとは?
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工場の生産性や安全性を維持するためには、適切な明るさを示す照度基準の遵守が不可欠です。 工場の照度基準には、法律で定められた最低限の基準である労働安全衛生法と、より望ましい作業環境の目安となるJIS規格の2種類が存在します。
本記事では、それぞれの法令や規格が定める具体的な数値、作業内容別の基準、そして基準を満たすための具体的な改善方法までを網羅的に解説します。
この記事でわかること
- 工場の照度を定める「法律(義務)」と「JIS規格(推奨)」の2つの基準
- 照度不足が引き起こす、品質・安全・生産性における具体的なリスク
- 現状の照度測定から始める、照明環境の具体的な改善アプローチ
- 2027年の蛍光灯製造禁止を見据えた、LED化のポイントと補助金活用法
工場の照度基準とは?守るべき法律と推奨されるJIS規格の違い

工場の照度基準は、大きく分けて2つの指標が存在します。 一つは、労働者の安全衛生を確保するために法律で定められた「労働安全衛生規則」です。 これは事業者に遵守が義務付けられた最低基準であり、違反した場合は罰則の対象となる可能性があります。
もう一つが、日本産業規格(JIS)の「JISZ9110照明基準総則」で、こちらは作業効率や品質維持を目的とした推奨基準です。 法的拘束力はありませんが、より良い作業環境を構築するための指針として広く活用されています。
【法的義務】労働安全衛生規則で定められた照度基準
労働安全衛生法に基づく規則では、労働者の安全と健康を守るために、事業者が確保すべき最低限の明るさが規定されています。この照度基準は、事務作業については「事務所衛生基準規則」に、それ以外の作業場については「労働安全衛生規則」にそれぞれ定められています。これらの規定は、あくまで労働災害を防止するための最低ラインであり、すべての工場はこの基準値を満たす義務があります。
【推奨基準】JIS規格(JIS Z 9110)が示す作業別の推奨照度
JIS規格(JISZ9110)は、安全確保に加えて、作業のしやすさや生産性の向上を目的とした推奨照度を定めています。 この規格は法的義務ではありませんが、最適な照明環境を構築するための具体的な目安として多くの企業で参考にされています。
労働安全衛生法の規定よりも詳細に、工場のエリアや作業内容ごとの推奨値が示されているのが特徴です。 品質管理や精密作業など、高い視認性が求められる現場では、JIS規格を基準に照明設計を行うことが推奨されます。
【作業内容別】工場の場所ごとに定められた照度基準の一覧表

工場の照度基準は、全ての場所で一律ではありません。 労働安全衛生法とJIS規格では、それぞれ異なる作業区分や場所に応じて具体的な照度の値が定められています。
自社の工場が基準を満たしているかを確認するためには、まず作業エリアごとの適切な数値目標を把握することが重要です。 ここでは、両方の基準に基づいた具体的な照度の目安をそれぞれ紹介します。
労働安全衛生規則に基づく作業区分ごとの基準値
労働安全衛生法に定められた規則では、作業の細かさに応じて以下の通り3段階の照度基準が規定されています。 これらの値は、あくまで労働安全を確保するための最低限の明るさです。 自社の工場がこの数値を下回っている場合、速やかな改善が求められます。
精密な作業:300ルクス以上 普通の作業:150ルクス以上 粗な作業:70ルクス以上
JIS規格が推奨する作業場所ごとの詳細なルクス値
JIS規格(JIS Z 9125:2023 屋内照明基準)では、労働安全衛生法が定める最低限の照度基準とは異なり、作業場所や内容に応じた推奨照度が示されています。これらは生産性や品質の向上を目的とした目安の値であり、代表的な例は以下の通りです。
- 組立作業:750ルクス
- 検査作業:1500ルクス
- 制御室:500ルクス
- 倉庫(作業を伴う場合):200ルクス
- 倉庫(一般的な用途):100ルクス
- 通路:75ルクス
倉庫リノベーションについては「倉庫リノベーションの費用相場」で詳しく紹介しています。
令和4年12月に改正された事務所則の変更点
工場内の事務所エリアに適用される「事務所衛生基準規則」の照度に関する法令が、令和4年12月1日に改正・施行されました。この改正により、従来の作業区分から、「一般的な事務作業」と「付随的な事務作業」の2区分へと変更されています。新しい基準では、一般的な事務作業で300ルクス以上、付随的な事務作業で150ルクス以上と定められています。
工場の照度が基準値を満たさない場合に想定される4つのリスク

工場の照度が基準値を下回っている状態を放置すると、単に「暗くて作業がしにくい」という問題にとどまらず、企業の経営に直接影響を及ぼす様々なリスクを引き起こします。 安全、品質、従業員の健康、そして生産性といった、工場運営の根幹に関わる重要な要素が脅かされる可能性があります。 ここでは、照度不足によって想定される具体的な4つのリスクについて解説します。
製品の品質低下や不良品の見逃しが発生する
手元が暗い環境では、製品の細かな傷や汚れ、異物の付着といった不具合を見逃す可能性が高まります。 特に、外観検査や精密部品の組み立てといった、視覚情報が重要となる製造工程では、照度不足が不良品の流出に直結します。 これにより、顧客からのクレームやリコールにつながり、企業の信頼性を大きく損なう原因となるため、品質管理の観点から適切な明るさの確保は不可欠です。
従業員の眼精疲労や健康被害につながる
不十分な明るさのなかで作業を続けると、従業員は無意識のうちに目を凝らし、ピントを合わせようとするため、眼精疲労を引き起こしやすくなります。 眼精疲労が慢性化すると、視力低下や頭痛、肩こりといった身体的な不調につながることも少なくありません。 このような健康被害は、従業員の労働意欲の低下や休職、離職の原因にもなり得ます。
快適で健康的な作業環境の維持は、企業の重要な責務の一つです。
転倒やつまずきによる労働災害の危険性が高まる
床面の段差や、通路に置かれた障害物、機械から漏れた油などが視認しづらくなり、転倒やつまずきといった労働災害の発生リスクを著しく高めます。 特に、倉庫や通路、階段などの照度が低い場所は事故が起こりやすくなります。 労働安全衛生法で最低限の照度が定められているのは、こうした事故を防ぎ、労働者の安全を確保することが大きな目的です。
照度不足は、重大な人身事故に直結する危険性をはらんでいます。
作業効率が落ちて生産性が低下する
暗い作業環境は、従業員の生産性を直接的に低下させる要因となります。 例えば、必要な工具や部品を探すのに時間がかかったり、手元の作業でミスが増えたりすることで、作業全体のスピードが落ちてしまいます。
また、視認性が悪いと集中力を維持するために余計な労力を使うため、従業員が疲れやすくなり、結果として長時間の作業効率が低下します。 適切な照度を確保することは、スムーズで正確な作業を促し、工場全体の生産性を向上させます。
工場の明るさを改善し照度基準をクリアする5つの方法

工場の照度基準を満たし、安全で生産性の高い環境を実現するためには、計画的なアプローチが必要です。 まず現状の照度を正確に測定し、その結果に基づいて照明器具の選定や配置、運用方法の整備などを総合的に検討します。 単に新しい照明に取り替えるだけでなく、空間全体の明るさを最適化する視点が重要ですし、複数の項目を総合的に検討する視点が重要です。
ここでは、照度基準をクリアするための具体的な方法を紹介します。
まずは専門業者に依頼して現状の照度を正確に測定する
改善の第一歩は、現状を正確に把握することです。 照度計を使用して、法令で定められた測定点の明るさを計測します。 自社で行うことも可能ですが、正確な測定には専門的な知識が必要です。
専門業者に依頼すれば、工場内の照度をムラなく客観的に測定し、データに基づいた課題の分析と具体的な改善策の提案までを一貫して任せることができます。 客観的な測定データは、改善計画を立てる上での重要な根拠となります。
省エネと明るさを両立できるLED照明へ切り替える
現在、蛍光灯や水銀灯を使用している場合、LED照明への切り替えが最も効果的な改善策の一つです。 LED照明は、従来の照明に比べて消費電力が少なく、より明るい光を確保できるため、省エネルギーと照度アップを同時に実現します。 また、製品寿命が非常に長いため、ランプ交換の頻度やメンテナンスにかかるコストを大幅に削減できるというメリットもあります。
初期投資は必要ですが、長期的な視点で見ればコストパフォーマンスに優れた選択肢です。
照明器具の配置や高さを最適化して明るさのムラをなくす
工場内の明るさにムラがあると、作業場所によって見えやすさが異なり、目の疲労や作業ミスの原因になります。 照明器具を適切な間隔と高さで配置し、作業エリア全体を均一に照らすことが重要です。 照明設計の専門家によるシミュレーションなどを活用し、機械や棚の影ができにくいよう照明のレイアウトを最適化します。
これにより、最小限の照明器具で効率的に必要な明るさを確保し、快適な作業空間を整備できます。
照明器具の定期的な清掃やランプ交換を徹底する
照明器具は長期間使用するうちに、ホコリや油汚れが笠やランプに付着し、照度が著しく低下します。 設計当初の明るさを維持するためには、定期的な清掃が欠かせません。 清掃計画を立て、運用ルールとして徹底することが重要です。
また、ランプには寿命があり、古くなると明るさが落ちてきます。 ランプの種類ごとに交換サイクルを管理し、計画的に交換を行う設備整備の体制を整えることで、常に安定した照度を保つことができます。
天窓の設置や壁の色を工夫して自然光を有効活用する
照明器具だけに頼らず、自然光をうまく活用することも有効な手段です。 屋根に天窓(トップライト)を設けることで、日中は太陽光を効率的に取り入れ、照明エネルギーの削減に貢献します。 また、工場内の壁や天井、床の色を白やアイボリーなどの明度の高い色にすると、光が反射して空間全体が明るく感じられるようになります。
これらの工夫は、少ない照明で効果的に明るさを確保するために役立ちます。
工場の照明をLED化する際に押さえるべき3つのポイント

工場の照明をLED化することは、照度基準の達成と省エネを両立する有効な手段ですが、単に器具を交換するだけでは十分な効果を得られない場合があります。 製造する製品や作業内容に合わせて、光の「質」まで考慮することが重要です。 ここでは、LED化を成功させ、投資効果を最大化するために押さえておくべき3つのポイントを解説します。
作業内容に適した光色(色温度)と演色性を選ぶ
LED照明を選ぶ際は、明るさだけでなく、光色と演色性にも注目する必要があります。 光色は空間の雰囲気を決め、集中力が求められる作業場では、青みがかった「昼光色」や自然な光の「昼白色」が適しています。 演色性は色の見え方の忠実さを示す指標で、特に塗装の色合わせや製品の傷検査など、正確な色判断が求められる工程では、太陽光に近い高演色の照明を選ぶことが品質維持につながります。
2027年の蛍光灯製造禁止に向けた早めの対策を計画する
「水銀に関する水俣条約」により、一般照明用の高圧水銀ランプは2020年末に製造・輸出入が禁止され、直管蛍光灯の大部分は2027年末で製造・輸出入が禁止となります。この規制により、現在これらの照明を使用している工場では、将来的に交換用のランプが入手できなくなる事態が想定されます。
在庫が市場からなくなる前に、LED照明への切り替え計画を早期に策定し、段階的にでも更新を進めていくことが、安定した工場運営のために不可欠です。水銀に関する水俣条約については「CANARIS(カナリス)」で詳しく紹介しています。
LED化の初期費用を抑える国や自治体の補助金制度を活用する
LED照明への更新には一定の初期費用がかかりますが、国や地方自治体が提供する補助金や助成金を活用することで、その負担を大幅に軽減できます。 省エネルギー化を促進するための制度が多く用意されており、設備投資額の一部が補助される場合があります。
制度によって対象となる設備や申請要件、期間が異なるため、自社の照明整備計画に合わせて活用できる補助金がないか、専門業者や商工会議所などに相談してみることをお勧めします。
工場の照度基準に関するよくある質問

工場の照度基準については、法律の改正内容や具体的な数値、罰則の有無など、担当者が知っておくべき点が多くあります。 ここでは、現場の設備管理者や衛生管理者から特によく寄せられる質問をピックアップし、それぞれ簡潔に回答します。
事務所の照度基準は、法改正によってどのように変更されましたか?
令和4年12月1日に施行された法令改正により、事務所の照度基準が変更されました。従来の3区分から「一般的な事務作業」で300ルクス以上、「付随的な事務作業」で150ルクス以上という2区分に再編され、全体的に求められる明るさの水準が引き上げられています。この法律は工場に併設された事務所にも適用されます。
工場の照度が労働安全衛生法の基準を満たしていない場合、罰則はありますか?
はい、あります。 労働安全衛生法の照度基準は法律上の義務であり、これを満たさない場合は労働基準監督署から照度是正勧告を受ける可能性があります。 勧告に従わない場合、事業者に対して「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されることがあります。
製品の外観検査など、特に高い照度が求められる作業の推奨値はどのくらいですか?
製品の外観検査などでは、JIS規格で推奨される照度が目安とされています。例えば、電子部品の検査のような「極めて細かい視作業」では1500ルクス、または超精密な視作業の場合には2000ルクスが推奨されています。また、色が重要な場合は演色評価数Ra≧90が推奨されています。作業内容に応じて適切な照度基準を選ぶ必要があります。
まとめ
工場の照度基準には、遵守義務のある労働安全衛生法と、推奨値であるJIS規格の2つが存在します。 両者の違いを正しく理解し、自社の作業内容や場所に応じた適切な明るさを確保することは、法令遵守はもちろん、従業員の安全衛生、製品の品質、そして工場全体の生産性を向上させる上で極めて重要です。 現状の照度測定から始め、必要に応じてLED照明への更新や照明配置の最適化など、計画的な環境整備を進めることが求められます。
SAWAMURAについて
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- 2020年
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- 2012年
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- 2013年
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- 2008年
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- 2004年
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資格所有者
-
一級建築士 13人
二級建築士 41人
一級建築施工管理技士 29人
一級土木施工管理技士 10人 -
宅地建物取引士 19人
設備設計一級建築士 1人
土地家屋調査士 1人
一級建設業経理士 2人
中小企業診断士 1人
会社概要
| 社名 | 株式会社澤村 |
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| 大津オフィス | 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F TEL. 077-572-3879 FAX. 077-573-8384 |
| 敦賀オフィス | 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10 TEL. 0770-22-6005 FAX. 0770-47-6405 |
| 資材センター | 滋賀県高島市勝野873-1 |
| 創業 | 昭和25年12月6日 |
| 資本金 | 50,000,000円(グループ全体) |
| 従業員数 | 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在 |
| 売上高 | 63億円(グループ全体)※2024年9月実績 |
| 営業種目 | 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用 |
| 許可・登録 | 〈建設業許可〉 滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号 〈一級建築士事務所〉 滋賀県知事登録(カ) 第126号 〈宅地建物取引業者〉 滋賀県知事登録(12) 第1267号 |
| 取引銀行 | 滋賀銀行 高島支店 関西みらい銀行 安曇川支店 滋賀県信用組合 安曇川支店 |
| 関連会社 | 株式会社トータル・オーガニック・プランニング 沢村ホーム株式会社 |
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