事業再構築補助金で工場・倉庫の建設は可能?新築の条件や採択事例を解説
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事業再構築補助金は、新事業への挑戦を目的とした工場や倉庫の建設費用に活用できる補助金制度です。 多くの補助金では対象外となる建物の新築や改修にかかる「建物費」が補助対象に含まれる点が大きな特徴です。 しかし、特に新築が認められるには厳しい条件があり、事業計画の妥当性が厳しく審査されます。
本記事では、製造業などが工場・倉庫の建設で事業再構築補助金を活用するための条件や対象経費、採択事例について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 事業再構築補助金で工場・倉庫の「建物費」が対象になる仕組み
- 特にハードルが高い「新築」が認められるための必須要件
- 建物費以外に補助対象となる経費(機械装置費や撤去費など)の範囲
- 補助金申請で失敗しないために押さえるべき3つの注意点
事業再構築補助金が工場・倉庫の建設費に使える理由

事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の新分野展開、事業転換、業種転換といった思い切った「事業再構築」に挑戦する取り組みを支援する制度です。 新事業の開始には、新たな生産拠点や物流拠点が必要不可欠なケースも少なくありません。 そのため、事業計画の遂行に必須と認められれば、工場や倉庫の建設に関わる費用も補助対象となります。 事業再構築補助金については「工場・倉庫建築に利用可能!「事業再構築補助金」とは?」で詳しく紹介しています。
多くの補助金で対象外となる「建物費」が補助対象になる
一般的な設備投資を支援する「ものづくり補助金」など、多くの補助金制度では、汎用性が高く不動産取得と見なされやすい建物の建築や購入に関する費用は、補助対象外とされています。 これに対し、事業再構築補助金は、事業計画において必要不可欠であると認められれば、建物の新築・改修・増築などにかかる「建物費」が補助対象となる点が最大の特徴です。 このため、工場や倉庫の建設を伴う大規模な事業転換を計画する事業者にとって、非常に活用価値の高い補助金といえます。
新事業に必要な投資として工場や倉庫の建設が認められる
事業再構築補助金で工場や倉庫の建設が認められるのは、それが事業計画の根幹をなし、新事業の遂行に不可欠な投資であると判断される場合に限られます。 例えば、これまで製造していなかった新製品の専用生産ラインを設置する場所がない、あるいはEC事業に参入するための物流・配送センターが自社にないといったケースです。 事業計画書の中で、なぜ建物の建設が必要なのか、その投資が事業再構築にどう貢献するのかを論理的に説明し、審査員を納得させる必要があります。
事業再構築補助金の対象となる工場・倉庫関連の経費一覧

事業再構築補助金を活用して工場や倉庫の建設を行う場合、建物そのものの費用だけでなく、関連する様々な経費が補助対象となります。 事業計画に必要な経費を漏れなく計上することで、自己負担を抑えた投資が可能です。 ここでは、対象となる主な経費を解説します。
建物の新築・改修・増築にかかる「建物費」
建物費には、工場や倉庫の新築、既存建物の改修(リノベーション)、事業拡大に伴う増築にかかる費用が含まれます。 具体的には、設計費、測量費、建築工事費、付帯工事費などが該当します。 ただし、土地の購入費用や造成費、不動産の購入費用は補助の対象外です。
また、前述の通り、建物の新築については、改修や賃貸では代替できない理由を明確に説明するなど、特に厳しい要件が課せられる点に注意が必要です。
製造ラインや自動倉庫システムなどの「機械装置・システム構築費」
工場や倉庫の建設と一体で導入される設備も補助対象の中心です。 製造業であれば、製品を生産するための専用機械や製造ライン一式が「機械装置・システム構築費」として認められます。 また、物流倉庫においては、ピッキングロボットや自動搬送機を備えた自動倉庫システム、在庫や入出庫を管理するためのソフトウェアやシステム構築費用も対象です。
これらの設備は、事業の生産性や効率性を直接的に高める重要な投資と位置づけられます。
既存の工場や倉庫を解体・撤去するための「撤去費」
新しい工場や倉庫を建設するために、敷地内に存在する既存の古い建物を取り壊す必要がある場合、その解体工事や廃材の処分にかかる費用も「撤去費」として補助対象経費に計上できます。 ただし、この経費が認められるのは、補助事業で導入する新しい建物の建設や機械装置の設置に必要不可欠な場合に限られます。 単なる原状回復や不要な資産の整理を目的とした解体・撤去は対象外となるため、事業計画との関連性を明確にする必要があります。
工場・倉庫の新築が認められるための厳しい条件とは?

事業再構築補助金において建物費は補助対象ですが、特に「新築」のハードルは非常に高く設定されています。 補助金を活用して工場や倉庫の新築を検討する場合、なぜ新築でなければならないのかを客観的かつ論理的に説明し、複数の厳しい条件をクリアすることが求められます。
安易な計画では採択される可能性は低いのが実情です。
原則として建物の新築は認められにくい背景
建物の新築が原則として認められにくい背景には、補助金の趣旨が関係しています。 事業再構築補助金は、企業の変革を促すものであり、まずは既存の経営資源を最大限有効活用することが前提とされています。 新築の建物は汎用性が高く、補助事業終了後も資産として残るため、単なる不動産投資と見なされる懸念があります。
そのため、補助金事務局は、より事業変革に直結する改修や増築、賃貸物件の活用を優先すべきというスタンスを取っています。
「新築の必要性に関する説明書」の提出が必須
工場や倉庫の新築を補助対象経費として申請する場合、通常の事業計画書とは別に「新築の必要性に関する説明書」を提出することが義務付けられています。 この書類では、「既存建物の改修や賃貸物件の活用では事業目的を達成できない」という点を、客観的な根拠に基づいて詳細に説明しなくてはなりません。
この説明書の説得力が、新築案件の採択可否を大きく左右する重要なポイントとなります。
既存建物の改修では事業目的を達成できないことの証明
「新築の必要性」を証明するためには、なぜ既存建物の改修や周辺の賃貸物件の活用が不可能なのかを具体的に示すことが不可欠です。 例えば、「新事業で導入する機械が特殊な重量・サイズで、既存建物の床や天井の構造では耐えられない」「衛生管理上、特殊な空調設備やクリーンルームが必要だが、改修では対応できない」「事業所の近隣で条件に合う賃貸物件を調査したが、全く見つからなかった」といった理由が考えられます。
これらの主張は、写真、図面、構造計算書、不動産業者からの物件情報などを証拠として添付し、客備性を担保する必要があります。
【採択事例】工場・倉庫建設で事業再構築補助金を活用した3つのモデル

事業再構築補助金を活用した工場・倉庫の建設は、様々な業種・事業モデルで採択されています。 他社の採択事例を参考にすることで、自社の事業計画が補助金の趣旨に合致するかどうかを判断しやすくなります。 ここでは、製造業などを中心とした代表的な3つの活用モデルを紹介します。
製造業のEC事業参入に伴う物流倉庫の新設事例
これまで企業間取引(BtoB)を主軸としていた部品製造業が、新たに一般消費者向け(BtoC)のECサイトを立ち上げ、自社ブランド製品の直販に乗り出す事業計画です。 多品種・小ロットの注文に迅速に対応するため、商品の保管、ピッキング、梱包、発送を行う専用の物流倉庫を新たに建設。
倉庫内には自動在庫管理システムや梱包ラインを導入し、受注から発送までを効率化する体制を構築しました。 BtoBからBtoCへの事業転換という明確な再構築であり、物流倉庫の建設が事業成功に不可欠であると認められた事例です。 大型倉庫・ガレージ倉庫の建築費については「大型倉庫・ガレージ倉庫の建築費、価格相場(費用)とは?」で詳しく紹介しています。
既存工場の生産性向上のためのスマートファクトリー化改修事例
長年稼働してきた製造業の既存工場において、生産設備の老朽化と労働力不足が課題となっていました。 そこで、IoTセンサーや産業用ロボット、AIによるデータ分析システムを導入し、工場全体をスマートファクトリー化する計画を立案。 この計画では、新設備の導入に合わせて、建物の耐震補強や電源・空調設備の増強といった大規模な改修工事を実施しました。
新築ではなく既存資産の価値を最大化する改修によって、生産性の大幅な向上と事業の持続可能性を高めた点が評価された製造業の事例です。 工場・倉庫に欠かせない地震対策については「工場・倉庫に欠かせない地震対策」で詳しく紹介しています。
食品加工業の新商品開発に対応する冷凍・冷蔵倉庫の増築事例
健康志向の高まりを受け、地域の特産品を活用した冷凍総菜の新ブランドを立ち上げる食品加工業の事例です。 新商品の製造ラインは既存工場内に設置可能でしたが、完成品を大量に保管するための冷凍・冷蔵設備が不足していました。 そこで、既存工場に隣接する形で大規模な冷凍・冷蔵倉庫を増築。
これにより、計画的な大量生産と安定供給が可能となり、スーパーや通販サイトへの販路拡大を実現しました。 新市場への進出という事業再構築の要件を満たしつつ、既存インフラを活用した効率的な投資として採択されました。
工場・倉庫の建設で活用できる申請枠と補助上限額

事業再構築補助金には複数の申請枠があり、それぞれ対象となる事業者や補助上限額、補助率が異なります。 工場や倉庫の建設のような大規模な投資を行う場合、自社の事業計画に最も適した枠を選択することが重要です。 ここでは、代表的な申請枠を紹介します。
大規模な投資に適した「成長枠」の概要と補助額
「成長枠」は、今後成長が見込まれる市場へ挑戦し、高い成長を目指す事業者を支援する枠です。 工場や倉庫の建設を伴う大規模な設備投資にも対応可能で、多くの事業者が利用を検討する代表的な枠といえます。
補助上限額は従業員規模によって異なり、最大で7,000万円、補助率は原則1/2(大規模な賃上げを行う場合は2/3)です。 申請するには、事業終了後3〜5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させるなどの要件を満たす必要があります。
国内の生産拠点強化を目指す「サプライチェーン強靭化枠」の詳細
「サプライチェーン強靭化枠」は、事業再構築補助金において海外で製造する製品・部品の国内回帰や、国内サプライチェーンの強化・地域産業の活性化に貢献する事業者を対象とした枠です。
この枠では、補助上限額が最大5億円と高額に設定されており、大規模な工場の国内新設などに適しています。 ただし、対象となる業種や製品が限定されており、事業計画が日本の産業競争力強化にどう貢献するかを具体的に示す必要があるなど、他の枠に比べて厳格な申請要件が課せられています。
製造業の中でも特に、戦略的な国内投資を計画する企業向けの枠と言えるでしょう。
補助金申請で失敗しないための3つの注意点

事業再構築補助金は非常に魅力的な制度ですが、手続きやルールを正しく理解していないと、採択されても補助金を受け取れないという事態に陥りかねません。 特に、多額の資金が動く工場や倉庫の建設では、失敗した場合の経営への影響も大きくなります。
ここでは、申請にあたって特に注意すべき3つのポイントを解説します。
補助金の交付決定前に建設業者と契約・発注をしない
最も重要な注意点として、補助金の対象となる経費は、原則として採択後に送付される「交付決定通知書」の日付以降に契約・発注したものでなければならないというルールがあります。 採択されることを見越して、交付決定前に建設業者と本契約を締結したり、工事を発注したりすると、その費用はすべて補助対象外となってしまいます。 スケジュールに余裕を持ち、必ず交付決定を待ってから契約手続きを進めることが鉄則です。
事業計画書で投資回収の実現可能性を具体的に示す
工場や倉庫の建設は投資額が巨額になるため、事業計画書ではその投資をいかにして回収し、収益を上げていくのか、その実現可能性を客観的なデータに基づいて具体的に示すことが極めて重要です。 市場規模や成長性、競合の動向分析、具体的な販売戦略、そして精度の高い収益計画を提示し、審査員に「この投資は成功する」と確信させなければなりません。 机上の空論ではなく、地に足のついた説得力のある計画が求められます。
着工から補助金受給までの資金繰り計画を立てておく
補助金は、原則として事業が完了し、実績報告書を提出して検査を受けた後に支払われる「精算払い(後払い)」です。 つまり、工場の建設費用や設備代金は、一度全額を自社で立て替えて支払う必要があります。 着工から工事完了、そして補助金が実際に入金されるまでには1年半以上かかるケースも少なくありません。
この間の資金繰りを事前に金融機関と相談し、融資を受けるなど、具体的な計画を立てておかなければ、資金ショートに陥るリスクがあります。
事業再構築補助金の今後はどうなる?後継制度の動向も解説

事業再構築補助金は、2020年度から始まった時限的な措置であり、制度の大幅な見直しや終了が議論されています。 2024年以降、従来の形式での公募は縮小・変更される可能性が高い状況です。 しかし、政府が中小企業の賃上げや成長分野への投資を後押しする方針は変わっておらず、事業再構築補助金の理念を引き継ぐ後継制度が複数開始されています。
具体的には、人手不足解消のための省力化投資を支援する「中小企業省力化投資補助金」や、中堅企業のさらなる成長を促す「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」などです。 これらの新しい補助金で工場建設などの建物費がどう扱われるかは、各制度の公募要領で確認する必要があり、今後の動向を注視することが重要です。 工場建設・倉庫建設に利用可能な建築関連補助金については「工場建設・倉庫建設に利用可能な建築関連補助金まとめ」で詳しく紹介しています。
事業再構築補助金の工場・倉庫利用に関するよくある質問

ここでは、事業再構築補助金を活用した工場や倉庫の建設を検討している製造業などの事業者から多く寄せられる質問について、Q&A形式で回答します。 申請前の疑問点を解消し、スムーズな計画策定に役立ててください。
Q. 中古の工場や倉庫を購入して改修する場合も補助金の対象になりますか?
はい、対象となります。 ただし、補助対象となるのは建物の購入費用そのものではなく、購入後に行う事業用の改修・リノベーションにかかる費用です。 中古物件の購入費は補助対象外のため注意が必要です。
事業計画に合わせて、必要な改修費用を建物費として申請します。
Q. なぜ工場や倉庫の新築は事業再構築補助金で認められにくいのですか?
汎用性が高く不動産投資と見なされるリスクがあり、既存資産の活用を促す補助金の趣旨に反しやすいためです。 新築は補助金がなくても資産価値が残ると判断されやすい傾向にあります。 そのため、改修や賃貸では事業が実現できない、やむを得ない理由を客観的に証明する必要があります。
Q. 工場建設の事業計画書で採択率を上げるポイントはありますか?
「なぜ新築でなければ事業ができないのか」という必要性を、客観的な証拠を用いて論理的に示すことです。 加えて、市場の成長性や競合優位性をデータで裏付け、大規模な建設投資を回収できる具体的な収益計画を詳細に描くことが重要です。
審査員を納得させる合理性が求められます。
まとめ
事業再構築補助金は、新事業のために工場や倉庫の建設を計画する事業者、特に製造業にとって非常に有効な支援制度です。 他の補助金では対象外となることが多い「建物費」が補助対象となる点は大きな利点です。
一方で、特に建物の「新築」に関しては、改修や賃貸では代替不可能であることを証明する必要があるなど、厳しい条件が課せられます。 補助金を活用する際は、交付決定前の契約を避ける、詳細な資金繰り計画を立てるなどの注意点を守り、専門家の支援も視野に入れながら、説得力のある事業計画を作成することが採択への鍵となります。
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資格所有者
-
一級建築士 13人
二級建築士 41人
一級建築施工管理技士 29人
一級土木施工管理技士 10人 -
宅地建物取引士 19人
設備設計一級建築士 1人
土地家屋調査士 1人
一級建設業経理士 2人
中小企業診断士 1人
会社概要
| 社名 | 株式会社澤村 |
|---|---|
| 本社 | 〒520-1121 滋賀県高島市勝野1108番地3 TEL. 0740-36-0130(代) FAX. 0740-36-1661 |
| 大津オフィス | 〒520-0242 滋賀県大津市本堅田三丁目33-16 エルミナ リアン 2F TEL. 077-572-3879 FAX. 077-573-8384 |
| 敦賀オフィス | 〒914-0811 福井県敦賀市中央町一丁目8-10 TEL. 0770-22-6005 FAX. 0770-47-6405 |
| 資材センター | 滋賀県高島市勝野873-1 |
| 創業 | 昭和25年12月6日 |
| 資本金 | 50,000,000円(グループ全体) |
| 従業員数 | 182名(グループ全体)※2024年10月1日現在 |
| 売上高 | 63億円(グループ全体)※2024年9月実績 |
| 営業種目 | 建築一式、土木一式、大工工事、水道施設工事、とび・土工工事、造園工事、左官工事、石工事、屋根工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、熱絶縁工事、建具工事、宅地建物取引業、建築・土木設計、土地活用 |
| 許可・登録 | 〈建設業許可〉 滋賀県知事許可(特・般-3) 第80123号 〈一級建築士事務所〉 滋賀県知事登録(カ) 第126号 〈宅地建物取引業者〉 滋賀県知事登録(12) 第1267号 |
| 取引銀行 | 滋賀銀行 高島支店 関西みらい銀行 安曇川支店 滋賀県信用組合 安曇川支店 |
| 関連会社 | 株式会社トータル・オーガニック・プランニング 沢村ホーム株式会社 |
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